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Hibワクチンのすべて

  • 2009年5月17日

Hibワクチンとは?

皆 さんすでにご承知のように、Hibワクチンというのはインフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは全く別物です)のb型に対する予防ワクチンで、商品名 は「アクトヒブ」といいます。現在日本ではこの1種類しかありません。インフルエンザ菌の学名をHaemophilus Influenzaeというので、その頭文字のHとIとb型菌のbをつなげてHibとしたものです。

ワクチンですから、当然インフルエンザ菌の菌体の一部を使って作られます。菌体の一部を無毒化したものがワクチンになります。そして、製造過程でフ ランス産ウシの肝臓および肺由来成分、ヨーロッパ産ウシの乳由来成分、アメリカ産ウシの血液および心臓由来成分が使われています。ウシ以外ではブタの皮由 来成分、ウマの血液由来成分、トリの羽毛由来成分も使われています。

となりますと、○○由来成分、とりわけウシの○○由来成分、中でもアメリカ産ウシの血液および心臓由来成分の安全性はどうなんだ?ということが気になりますよね。それについて添付文書には次のように書かれています。カッコ内は私が付け足したものです。

「これらの米国産ウシ由来成分は米国農務省により健康であることが確認されたウシに由来し(だから何かあっても米国農務省の責任です)、欧州医薬品 審査庁のガイドラインを遵守して製造されている。理論的な(実際に確かめたわけではありません)リスク評価により、本剤は一定の(完全なではありません) 安全性を確保する目安(あくまでも目安です)に達していることを確認している。諸外国において本剤の接種によりTSEがヒトに伝播したとする報告はない (でもこれからあるかもしれません)。以上のことから、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低いものと考えられるが(保証はしません)、そのリスクに関 して被接種者またはその保護者へ説明することを考慮すること。(義務づけている訳ではありません)」(私からの説明:TSEというのは狂牛病のことです)

まず気づくのは、奥歯に物がはさまったような言い回しですね。そしてこの添付文書に見られる表現はどう見ても外国語を翻訳した文章ですね。というこ とは日本国内では安全性のチェックを行っていないということなんでしょうか?実はそうなんです。外国での実績で承認されたワクチンなんですね。しかも、安 全性に関しては「確認」という言葉と「確保」という言葉しか使われておらず、「保証」という言葉はどこにも見当たりません。でも、外国ではバンバン使われ ています。だから安全なんでしょうね。キット。

もう一つ言わせてもらうと、すべての文章を日本語に翻訳したのになぜ「TSE」だけそのままなんでしょうね。伝達性海綿状脳症って書くと長すぎるか ら?だったら狂牛病って書きゃいいじゃないですか。ねえ。狂牛病という病名は医学用語ではない(ちなみにこの添付文書は医者向けのものです)から?それだ けじゃ「TSE」だけを訳さなかった理由の説明にはなりませんね。医者なんだから「TSE」って書けば何のことだかすぐわかるだろうって?ゴモットモで す。

とはいうものの、皆さんが何の不安も抱かずにお子さんに接種している三種混合(DPT)ワクチンにもこういった動物由来の成分が入っています。ウシ の乳由来成分も入っています。でもアメリカ産のウシではないようです。これらの動物由来成分はワクチンを製造する上でどうしても必要なものであることには 違いありません。

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