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Hibワクチンのすべて

  • 2009年5月17日

Hibワクチンの受け方のヒント

Hibワクチンは生後2ヶ月から5歳未満までのお子さんが対象となります。接種スケジュールは開始時の月齢によって3通りあります。まずは標準的な接種スケジュールをご覧ください。

1)接種開始が生後2ヶ月以上7ヶ月未満の場合

初回免疫:4〜8週の間隔で3回接種(皮下注射)
追加免疫:初回免疫終了後おおむね1年後1回接種(皮下注射)

2)接種開始が生後7ヶ月以上12ヶ月(1歳)未満の場合

初回免疫:4〜8週の間隔で2回接種(皮下注射)
追加免疫:初回免疫終了後おおむね1年後1回接種(皮下注射)

3)接種開始が生後12ヶ月(1歳)以上5歳未満の場合

1回だけ皮下注射で接種

いずれの場合にも医師が必要と認めれば3週間の間隔で接種することができます。また、他のワクチン接種との間隔は、生ワクチン後27日以上、不活化 ワクチン後6日以上で他のワクチンの場合と同じです。なお、医師が必要と認めた場合には他のワクチンと同時に接種することができますが、他のワクチンと混 合してはいけません(注射が2回になるということです)。Hibワクチン接種後は6日以上の間隔で他のすべてのワクチンを接種することが可能です。

とてもわかりやすいスケジュールですね。何の問題もありません。受けると決めた方はこの通り受けてください。ただし、日本ではこの初回免疫と相前後 してBCG接種があり、DPT三種混合ワクチンの接種があり、ポリオがあります。それらを組み合わせるとなるとスケジュール作りにけっこう苦労しそうで す。

まずBCG。これは1回だけの接種ですから調整は簡単そうです。でも、BCG接種後は4週間経たないとHibワクチンを接種できませんから、Hib ワクチンの1回目か2回目の接種はBCG接種予定日の1週間ぐらい前にしておくとそのあとのHibワクチン接種の時間的余裕が広がるでしょう。また、 BCGを挟んでHibワクチンを接種する場合には、生後6ヶ月からのDPT三種混合に備えて、なるべく4週間隔で接種をすませてしまったほうがよいかもし れません。BCG接種後にスタートしようとすると3回目あたりでDPT三種混合、あるいは時期によってはポリオと重なってしまう可能性があります。でもな んとか調整は可能でしょう。

生後7ヶ月以上になってスタートする場合にはDPT三種混合とポリオ(時期による)に重なります。ポリオの時期と重ならなければHibワクチンも DPTワクチンも不活化ワクチンで1週間隔で接種できますからスケジュールを組むことは可能ですが、注射をされる赤ちゃんにとっては受難の日々となるで しょうね。これにポリオが重なるとスケジュール作りに苦労するかもしれません。

生後12ヶ月以上でのスタートの場合、接種回数は1回だけですから接種日を決めるのは容易だと思います。

このようにスケジュール作りに気を使うのは、何度も言いますが、日本の予防接種スケジュールが世界各国と大きく異なっているせいです。そしてそうい う実情を考えもせず、世界基準の接種スケジュールのまま日本国内でHibワクチンを発売したメーカーのせいでもあります。また、これだけ予防接種の種類が 増えてきたのではすべてのワクチンを別々の日に接種していたのではとてもじゃないけどやっていられないということで、世界的には複数のワクチンを同じ日に 接種することが当然のように考えられています。しかし、日本ではまだまだ同日接種に抵抗が強いようです。

そこで、こども診療所が世界と日本の架け橋となって、「日本流Hibワクチンおすすめ接種スケジュール」を作りました。基本となるのは、接種時期は 現在の日本で行われている接種スケジュールになるべく合わせるということと、世界的には当然となっている2種類のワクチンの同日接種を導入するという、い わば折衷案です。

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