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Hibワクチンのすべて

  • 2009年5月17日

なぜ品薄になっちゃったの?

「ア クトヒブ」という名の我が国唯一のHibワクチンは、第一三共株式会社が販売しています。もともとはフランスのサノフィパスツール社が開発製造したワクチ ンの原液を輸入しているのですが、輸入をするにあたって第一三共株式会社はサノフィパスツール社と合弁でサノフィパスツール第一三共ワクチン株式会社とい う会社を設立し、国内で接種可能な状態に加工製造しています。

輸入品ですから、製造元のフランスで事故があったり、製造元が輸出差し止めなんていうことをしたら、国内には届きません。今回国内で発売するにあ たっては、発売直前になってフランスで事故があり輸入が大幅に遅れ、しかも輸入量が当初の予定より極端に少なかったという事情があります。

そのため発売時期が大幅に遅れてしまったにもかかわらず、マスコミが「Hibワクチン発売!」と大々的に宣伝したものですから、インフルエンザ菌に よる細菌性髄膜炎とかHibワクチンなんていう話を聞いたこともない人までが、取り残されたら大変、接種しないといけないというような気にさせられて医療 機関に殺到した、というのが品薄の原因だとされています。

でも本当は違います。

先日、都立駒込病院の小児科部長とある会合で同席したことがありました。都立駒込病院には「ワクチン外来」というのがあります。そこには黄熱病ワクチン以外だったら世界中で必要なほとんどのワクチンが常備されていて、予約なしで必要な予防接種を受けられるのです。

私はその小児科部長に「Hibワクチンはお宅でもやはり予約制ですか?」と訊きましたら、「いや、予約なしでポッと来て打てますよ」との答え。他に も「電話一本ですぐ届くよ」という、主に外国人相手に小児科を開業している友人の話も聞いていましたからびっくりはしませんでしたが、今回の品薄騒動は メーカーが仕組んだものではないかという思いを強くしました。

大切な予防接種を企業任せにする厚生労働省も問題ですが、それを逆手に取ったような戦略を取る企業側も企業側だと思います。

だからといってHibワクチンそのものに罪があるわけではありません。中立的な立場で、Hibワクチンの安全性について考えて見たいと思います。

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