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肺炎球菌ワクチンのすべて

  • 2010年9月18日

何歳まで接種すればいいの?

接種を受けるかどうかの判断の基準についてはもう一つ、別の角度からの判断も必要です。それは接種年齢のことです。

髄膜炎を含む肺炎球菌による重症感染症(IPD)がどの年齢層に多く発症するかを見てみますと、小児では1歳代をピークに10歳になるあたりまで分 布していて、髄膜炎が中心となります。大人では30歳代から増え始め、70歳代をピークに分布していて、高齢者では肺炎が中心になります。

小児ではHib菌による髄膜炎より高い年齢まで発症しています。そのために「プレベナー」は生後2か月から9歳まで(9歳を含む)接種可能となっています。

IPDはHib菌同様5歳未満のお子さんに多い病気ではあるのですが、10歳までは起こりうる(もちろんそれ以上になってもゼロにはなりません)病気だと考えたほうがよさそうです。

そこで、何歳までは接種したほうがよいのかという疑問が生じるわけですが、確実にいえることは「早ければ早いほどよい」ということで、何歳になったら必要ないという答えを出すのは不可能だと思います。

「プレベナー」の接種回数は、2歳以上は追加接種なしの1回ぽっきりです。現時点では公費の補助がありませんから、全額自己負担になりますが、1回ぽっきりなら受けておいたほうが安心かなという考えも成り立つでしょう。

何歳まで効果があるの?

IPD(侵襲性肺炎球菌性疾患)はゼロ歳代から90歳代まで起こりうることになっています。では、こどもの時に接種した「プレベナー」は高齢者になっても有効なのでしょうか?

その答えは現時点ではまだわかりません。

「プレベナー」が使用されてからまだ10年程度しかたっていませんので、それ以上の期間有効な抗体価が維持されるかどうかはまだ未知数なのです。そ れに、以前にもお話ししたように、「プレベナー」は「こどものIPDさえ予防してくれたらそれでいいよ」という条件で作られたワクチンですから、そこまで 期待するのは無理かもしれません。

それから、高齢者用の肺炎球菌ワクチンは基本的には1回接種ですが、アメリカでは追加接種の必要性が議論されています。「プレベナー」とは別のワクチンですが、やはりそんなに長期間の効果は期待できないのかもしれません。

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