- 2010年9月18日
ワクチンそのものの安全性
まずは、Hibワクチン同様、ワクチンの製法上、あるいは成分上の問題点について検討してみます。
ワクチンに結合させた無毒性変異ジフテリア毒素については、有害性がないことをすでにお話ししました。また、ジフテリア予防接種としての有効性は期 待できないこと、またジフテリア予防接種としての副反応の問題についてはまだ不明であることもお話ししました。ですが、基本的には「プレベナー」製造上必 要であり、有害性を持たないという認識でいいと思います。
次に、製造過程で使用される成分の安全性についてです。
このワクチンの製造過程では、ウシの乳由来のトリプシンとカザミノ酸、ウシおよびヒツジの胆汁由来のデオキシコール酸ナトリウムが使用されています。
Hibワクチンの添付文書には、欧州産のウシであるとか、アメリカ合衆国の何とかという機関が安全だと言ったとか、いろいろ細かいことが書いてあり ました。ところが、「プレベナー」の添付文書にはただ単にウシやヒツジの乳や胆汁の成分が使われているとしか記載されていません。Hibワクチンの時のよ うにいちいちイチャモンをつけるつもりはありませんが、ま、一応安全だと考えるしかないようです。
ところで、牛乳アレルギーのお子さんの安全性はどうかといいますと、牛アレルギーを起こすのは主に牛乳に含まれるラクトアルブミンというタンパク質 です。「プレベナー」製造で使われているのはトリプシンというタンパクですから、理論的には牛乳アレルギーのお子さんが反応を起こすことは考えられませ ん。
最後に、添加物の安全性についてです。
「プレベナー」には、添加物として塩化ナトリウムとリン酸アルミニウムが含まれています。塩化ナトリウムは食塩ですから問題ありません。リン酸アル ミニウムについてはすでにお話ししましたが、免疫補強剤(アジュバント)として含まれています。アジュバントについてはすでにお話ししましたが、確実な免 疫を獲得するには仕方がないと考えていただくしかありません。
それでは次に、接種した際の副反応を中心に観ていきましょう。